幸福のチョコ部 世界のチョコとショコラティエ

Bewley's Oriental Café

ビューリーズ カフェ

78/79 Grafton Street Dublin 2

 

ゲントのバンヘッケ。ベルギーで今私がもっとも好きなショコラティエです。
私は、チョコに目覚めたのが、パリからでした。だから、ベルギーの大らかさのセンスをはじめ理解できなかったのです。「幸福のチョコレート」はベルギー派ではなかったですね。今見返しても笑っちゃうくらい偏ってます。
ごめんなさい。ベルギー派のみなさま。やっとみなさまのお気持ちが分かりました。今、大の大のベルギーファンです。そのベルギーのもっともいいところがこのバンヘッケには現れています。
ちょっと長くなりそうですので、休憩を挟みます。お茶の補充にいってきてください。

おかえりなさい。
べルギーのチョコのよさは実はブリュッセルよりも地方にあると思います。ブリュッセルはチョコの国の中心過ぎて、本質が見えにくくなっているように思えます。でも、地方に行くとベルギーチョコのよさがむき出しになって存在しているのです。
アントワープやコルトレイク、そして、私が一番感動したのはゲントです。いいチョコの宝庫です。
ベルギーチョコのすばらしさは「やさしさ」なのです。私はベルギーチョコに以前賞賛をこめて、「ウンチクなしにいい人チョコ」といいました。ベルギーチョコは歴史や格式、プライドその他一切のことを語りません。そこにあるのは、シンプルな愛情のみです。だから、商談をしていても、チョコレート大国でありながら、言葉が少ないのです。他国と違います。
ベルギーチョコにはとがったところがありません。最近の凝りまくった味はないです。万人が喜ぶ味なのです。ちまちま着飾ることもありません。箱もシンプルです。台形をひっくり返した箱にどんどん、上から載せていきます。
だからこそ、私はみなさまに語る具体的なアピールポイントを見つけにくかったのです。形でも、味でも、パッケージでも尖ってないのですから。まあ、バイヤー泣かせ。
でもそれはただの私の力不足でした。
ほんとうに!ベルギーチョコは自分が目立とうとはしていないのです。お客さまを味で喜ばせることをシンプルに目指しています。 このバンヘッケはまさにそんなショコラティエ。お父さんと息子さんの小さなお店。なんと、このショコラティエはチョコだけでなくケーキも、そしてパンも作るのです。ヨーロッパの地方に行くと、こういう地域密着型の小さなショコラティエがまだ残っています。
朝、商談にいったら、焼きたてのパンをくださいました。塩味のあっさりパンにぱらぱらと砂糖が乗っています。そのパンの味わいの絶妙なこと。なんと味のセンスがいいんだろうと思いました。
私がお邪魔したのは母の日が終わってすぐでした。ヨーロッパではチョコを母に日のギフトによく使うので、「近所の家には今頃、母の日のチョコがまだいっぱいあるからしばらくはあまり売れないんだ」と笑ってました。
店の奥が工場で、丁寧に使われた道具が並んでします。
奥で見たのはオレンジピールでした。そこから手づくりです。「オレンジピールは曲がってはいけないんだ。まっすぐに作るのが技術なんだよ。」と私に、まるで師匠が弟子に伝えるように、話すお父さん。そのオレンジピールの量も少ないのです。「仕入れたほうがいいんちゃうの?」効率重視の日本人はそんなことを思ってしまいました。反省です。
オレンジピールという一番シンプルなチョコの要素を一番丁寧につくる。これぞベルギー職人だと思いました。お店にずらりと並べられたすごい数のチョコレートもこんな風にそれぞれ丁寧に愛されて作られていると思うと感動ひとしおでした。チョコの一粒一粒のオーラから出ていました。ここで、私このまま修行したい。お父さん!弟子にしてください!そういいたかったです。もうチョコをばくばく食べられない。丁寧に食べます。ほんまに。

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