はじめまして。特定非営利活動法人ジェンの安藤怜子です。弊団体では、2001年以降アフガニスタンの子どもたちの生活環境を改善するため、教育や衛生、医療分野など、様々な支援活動を実施してきました。本事業では、アフガニスタンで社会的に脆弱とされる子どもが、より健康的な生活を送れるよう、医療環境の改善に取り組みます。

アフガニスタンでは、5歳未満の子どもの死亡率が非常に高いことが大きな問題となっています。2011年の国連開発計画の人間開発報告書によると、アフガニスタンの5歳未満の子供の死亡率は出生1000人に対し199人、187ヵ国中186位と、世界で2番目に死亡率が高いことが報告されています。

このような状況の中、同国パルワン県で最も大きい病院であるパルワン100床病院の小児科では、予算不足のため、小児患者への医療設備や、医師への教育が足りず、小児患者の健康が充分に守られていない状況です。まず、同院の小児科病棟では、小児用ベッドが不足しており、大人用ベッドを複数の小児患者が共有している状況が続いています。2014年8月に日本からの支援によって、小児用ベッド10台の提供支援が行われたのですが、まだ、必要数には足りていません。複数名でのベッドの共有は、小児患者間での病気感染の原因となります。そして、小児病棟には、付き添いの方々用のいすが整備されていません。付き添いの人の多くは子どものお母さんですが、立ったままの状態で長時間看病しなければなりません。このため、付添の方々への負担も非常に大きいのが現状です。この状況を改善するため、弊団体はまず同院へ小児用ベッド20台、付添い者用のいす27脚の提供支援を行います。


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提供予定のベッド見取り図


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同パルワン100床病院の小児科にて、小児患者が大人用ベッドを共有して使用している様子。付き添い者用のいすが無いために、たちっぱなしの状態。


これに加え、現地政府の資金不足のために実施できていなかった小児疾患統合管理の研修を、同病院およびパルワン県の主要とされるクリニック、保健所の医師に対し実施し、医師の知識向上を図ります。これにより、病院・保健所での小児患者への診察・治療状況の改善を目指します。


<主な活動内容>
パルワン県全10地区の指定照会先であるチャリカ地区にあるパルワン100床病院小児科病棟にて不足している小児用ベッド20台、小児用ベッドの横に取り付ける付添い者用のいす27脚の提供支援を行います。また、現地政府機関である公衆衛生局の資金不足によって実現されていなかった小児疾患統合管理研修を、カブール市の公衆衛生局の研修所にて、4月に11日間にわたり、同院を含む全10地区の23の保健所、クリニックで勤務する24名の医師を対象に実施します。研修者を担当する講師10名は、Child Healthの修士の資格を保持しています。研修内容は、急性呼吸器感染症、脱水症状と下痢疾患の管理、栄養失調について行います。研修実施に当たり、弊団体は研修参加者の日当及び交通費、各種調整業務の支援を行います。公衆衛生局は、研修室、研修に必要な必要機材、文具及び研修の講師の提供を行います。

<期待される効果>
上記の支援活動を行うことによって、医療環境が改善され、最終的にはパルワン県の子どもの健康状態が改善することを目指します。同病院小児科には、小児科ベッドが不足していたため、1台のベッドを数人の小児患者が使用していました。このため、患者間における病気の感染の可能性が常にありました。本事業によって、小児用ベッドを提供支援することによって、ベッドの共有使用を防ぐことができ、患者間の感染を減少させることが可能となります。月平均では、200名の小児患者が小児用ベッドの使用が可能となり、子どもの健康を守ることができます。そして、同院、及び県内の保健所、クリニックの医療従事者に対し、小児疾患統合管理研修実施支援を行うことによって全10地区からの、医療従事者である医師、看護師24名が正しい小児疾患統合管理の知識を得ることができます。このことによって、小児患者への正しい診断、治療を実践していき、医療サービスの改善を目指します。これによって、子どもの死亡率減少、健康状態の改善に貢献することが期待できます。また、研修時には公衆衛生局から、研修室や研修時に使用する機材、文房具、及び講師提供の協力をいただきます。公衆衛生局の参画を促すことによって、彼らのオーナーシップ意識を高めることにもつながります。


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