2015年度に次の基金より拠出した京都大学iPS細胞研究所さまの活動レポートをご紹介します。

 

研究者が、研究に打ち込める環境をつくること。
iPS細胞の医療応用のために、京都大学iPS細胞研究所 (CiRA=サイラ) では研究者をサポートする知財担当者や広報担当者など、支援スタッフを手厚く配置しています。

たとえば、公的な研究資金を受けている研究機関には一般の方に向けたコミュニケーション活動を行うことが国から求められていますが、当研究所ではこうした活動は、研究内容について知識を持ったサイエンスコミュニケーターと呼ばれる専門の職員が行っています。

今年は、コミュニケーション活動の一環として、JR大阪駅近くの会場で子ども向けのワークショップを開催しました。iPS細胞という技術が一般の方々に受け入れてもらえるように、このような活動も大切にしています。

iPS2015_workshop.JPG研究用の白衣を着て子ども向けワークショップを行うサイエンスコミュニケーター

 

こうした、特定の研究プロジェクトに従事するわけではない支援スタッフの人件費は、国からの研究資金ではまかなうことができない場合が多く、iPS細胞研究基金が重要な財源になっています。国などからの研究費のほとんどが期限付きの資金であり、300人を超える研究所の教職員の約9割がいわゆる非正規雇用です。

iPS2015_kyosyokuin.JPG

300人を超えたCiRA教職員

 

iPS細胞研究の推進には優秀な人材を継続的に確保することが不可欠です。みなさまのご支援は、こうした非正規雇用教職員の人件費をまかなう上で、大変貴重な財源です。

もちろん、研究のための補助的な財源としてもiPS細胞研究基金は活用されています。2015年7月には、長船健二教授と製薬会社との共同研究の成果が記者発表されました。この研究では、文部科学省や内閣府などの様々な公的機関からの研究費、各種財団からの資金に加えて、iPS細胞研究基金も財源として使用されました。

内容は、iPS細胞から腎臓のもとになる細胞を作製し、急性腎障害(急性腎不全)のマウスに移植することで、効果があったというもの。腎臓病で苦しい闘病生活を送る方々にとって、将来的な治療の手がかりになりうる研究でした。

iPS2015_osafune.jpg研究成果の記者発表に臨む長船教授

 

このような人件費や研究費だけでなく、若手研究者の教育や研修、各国の研究者を招いて共同研究などの契機をつくるためのシンポジウム開催など、基金が活用される場面は年々拡大しています。

2015年度、当基金からの支出は過去最高の約3.7億円を見込んでおり、みなさまのご支援を活用してますますiPS細胞の医療応用に向けた研究を進展させたいと考えています。

 

<支援者のみなさまへ>
メリーポイントでのご支援をいただき、本当にありがとうございます。iPS細胞研究所の国際広報室で、基金を担当している渡邉と申します。iPS細胞という、なかなか身近に感じることのできない技術について、こんなにも多くの方々のご支援をいただき、心からありがたく思っています。みなさまのご支援は、研究所のメンバーにとって大きな励みになっています。
これからも、患者さんのためにベストを尽くし、みなさまに 「応援して良かった」 と思っていただけるようにしたいと思います。

 

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