2015年、ネパール大地震への被害に対し、みなさまに「ネパール中部地震義援金」へのご協力をお願いいたしました。たくさんのご支援をいただき、本当にありがとうございました。
その基金より、2016年度に拠出したシャプラニール=市民による海外協力の会さまの活動レポートが届きましたのでご紹介させていただきます。

 


 

■プロジェクト名 : ネパール大地震復興事業-被災者のコミュニティスペース支援
■実施場所    : ネパール連邦民主共和国 
         シンドゥパルチョーク郡、ダディン郡、ゴルカ郡、カブレパランチョーク郡、ドラカ郡
■実施期間    : 2016年4月1日~2017年3月31日(12か月)

 

<プロジェクトの実績報告>
 みなさまからのご支援を受け、2015年4月25日の大地震(死者約8,900名)で大きな被害が出た地方部の5郡それぞれでコミュニティスペースを1年間運営することができました。

 この活動は、東日本大震災後に福島県いわき市で運営したコミュニティスペースの経験を活かしたもので、お茶や新聞、ゲームなどを用意して入りやすい雰囲気を作りました。その結果、1年間で約4,000名が利用しました。

 あるスペースでは、トタン板で作られて隙間の多い仮設住宅で勉強もままならない子どもが集まって勉強したり遊んだりする姿がよくみられました。別のスペースでは、高齢の男性が定期的に集まるようになり、これまで一人で抱えていた地震で家族を亡くした辛さや今後の暮らしへの不安について語り合って、心のよりどころができたという声を聞くことができました。

 

nepal-Shapla NeerF1.jpg(子どもたちと高齢者が交流するスペース・ダディン郡)

 

 コミュニティラジオ局を運営していたため、ラジオ局が入手した支援情報を利用者に伝え、逆に利用者から聞いた地震後に抱えている悩みなどをラジオ番組で発信することができました。また、利用者からの相談をうけて行政に支援をするよう働きかけることもできました。

 2017年3月で支援は終了しましたが、多くのコミュニティラジオ局がこのスペースの意義を感じており、行政からの協力を得るなどして今後も継続して運営していく予定です。

 

nepal-Shapla NeerF2.jpg(楽しいダンスのひととき・ゴルカ郡)

 

<現地の様子・現地の声>

 アカス・タクリさん(30歳)は、もっとも被害の大きかった郡の1つであるシンドゥパルチョウク郡に住んでいます。視覚障害を持ちながらも地元の学校で教鞭をとっています。友たちに誘われ、1、2週間に1度コミュニティスペースに通うようになりました。

 「このスペースでは、新聞も読むことができます。でも、私は自力では新聞が読めません。そんな時、このスペースに来ている他の利用者が新聞を読み聞かせてくれます。震災前は障害者と健常者をつなぐ場というものが少なかったけれど、このような場ができて、障害者が地域に溶け込みやすいきっかけになったと感じます。」

 シンドゥパルチョークのコミュニティスペースは地域の人々が何か困りごとがあると相談に来るような存在にもなりました。もちろん、すべての問題を解決することはできませんので、行政や専門のNGO・NPOを紹介するなどして対応していました。

 

nepal-Shapla NeerF3.jpg(アカス・タクリさん:写真左側)

 

<支援者のみなさまへ>

東日本大震災、熊本地震を経て、災害後のインフラや社会的経済的な復興だけでなく、心の復興が重要だと言われています。ここネパールでもそれは同じです。コミュニティスペースに通う人は何回か通う中で、普段なかなか周りに話せない家族を亡くした辛さ、将来への不安を語り始めました。それらをすべて解決することはできませんが、そばに寄り添い話を聞くことで気持ちが軽くなる手助けができました。また、行政の支援につないで今後の生活への不安を軽減できた人もいました。

心を支える復興支援を続けられたのも、みなさまのご支援のおかげです。あらためて心より感謝申し上げます。

 

(特定非営利活動法人シャプラニール=市民による海外協力の会 勝井さまより)

 

プロジェクトの中間報告はこちら

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