2015年より、ネパール大地震への被害に対し、みなさまに「ネパール中部地震義援金」へのご協力をお願いいたしました。たくさんのご支援をいただき、本当にありがとうございました。

以下の基金から2017年度に拠出したAMDA社会開発機構さまの活動レポートが届きましたのでご紹介します。

 


 

■プロジェクト名 : ネパールの震災を忘れない~幼稚園環境整備プロジェクト~
■実施場所    : ネパール連邦民主共和国 カブレパランチョウク郡ロシ地区
■実施期間    : 2017年11月~2018年10月(12ヵ月間)

 

<プロジェクトの実績報告>

このプロジェクトを実施する前、対象地域の幼稚園には「幼稚園」という言葉からイメージされるような、子どもたちのはつらつとした顔やはじける笑い声などはあまりありませんでした。

2015年の震災から2年以上が経とうというのに、学校や幼稚園などの教育施設はまだ復興の途上で、教室にはコンクリートむき出しの床に小さな子どもたちが座り、使い古して黒ずんだり破れたりした文字や数字の表をただ眺めている姿がありました。

幼稚園で働いている24人の先生のうち、14人はネパール政府規定の幼児教育研修を受講したことがなく、どのように子どもに接してクラスを運営すべきか、不安を抱えていました。中にはお遊戯をして保護者から叱られた先生もいます。幼稚園は「遊ぶ場所」ではなく、「勉強する場所」だと考えられていたからです。

そこでこのプロジェクトでは、子どもたちにとって幼稚園が楽しく、安心して過ごせる場所になるように、また、先生が自信をもって幼児教育を進められるように、ロシ地区の24の幼稚園を対象に、以下の活動を実施しました。

 

1.資材供与(全24園)

 ・教材セット一式(文字パズル、フラフープ、ボール、鈴、絵本、操り人形、料理セット、
  クレヨンなど約55種類)/園
 ・カーペット 9㎡ /園
 ・クッション 315枚


nepal_amdamindsF1.jpg教材を受け取ったタレガウン幼稚園

 

nepal_amdamindsF2.jpg冷たい床に座っていたのが、カーペットとクッションのおかげで快適に

 

2.先生や保護者に対する啓発オリエンテーションの実施(計4回)

幼児教育分野で10年以上の経験を持つプロジェクト・スタッフが、先生や保護者を対象にオリエンテーションを行い、全24園の先生と保護者28人が参加しました。

参加者は、幼児期における身体・認知・感情・社会的発達について学んだほか、クラスの運営や子どもたちとの接し方に関しても話し合いました。各幼稚園から参加した先生たちは自らの課題を発表すると、別の幼稚園のベテランの先生がアドバイスする様子も見られました。


nepal_amdamindsF3.jpg先生が対象のオリエンテーションの様子

 

 

<現地の様子・現地の声>

ボハレ幼稚園のラムリ・マヤ・ドン先生は、

「新しい文字表(日本でいう「あいうえお」表)には、絵もついていて、子どもたちがイメージしやすいのか、覚えるのがすごく早いんです。カラーブロックでは、色を習うだけでなく、子どもたちがそれぞれ創造力豊かに、家や乗り物などいろんなものを作って私に見せてくれるんです」

と、とてもうれしそうに話してくれました。


nepal_amdamindsF4.JPG新しい教材を使って「あいうえお」を教えるラムリ先生

 

また、タクレ幼稚園のサシ・タマン先生はオリエンテーションを振り返り、

「これまで、他の幼稚園で何をやってるのか、困った時にどう対処しているのか、知りたいと思っても他の先生と集まる機会がありませんでした。このオリエンテーションをきっかけに、お互い連絡を取り、学び合い助け合うようになりました。「困っているのは私だけじゃないんだ」と思うと、それだけで支えになります」

と話してくれました。

 

保護者たちは、

「新しい教材が届いて、子どもたちが幼稚園に行くのを楽しみにしています。読み書きだけ教えてくれればいいと思っていたけれど、歌や遊びの中から学ぶ大切なものもあると教えてもらい、今は子どもたちの成長の様子を見守っていきたいと思います」

と話していました。

 

いちばん変わったのは、幼稚園の雰囲気です。楽しそうな声をあげながら思い思いに遊ぶ子どもたちと、やさしく見守る先生たち。幼稚園全体が活気に満ちているのです。この日も、24の幼稚園で260人の子どもたちが、元気に楽しく、読み書きやお遊戯の時間を過ごしています。

 

<支援者のみなさまへ>

対象地域の人たちは、震災でたくさんのものを失い、傷つき、その後も家や生活の再建に忙しく、小さな子どもたちが通う幼稚園のことまで考えられない、という状況でした。

しかし、プロジェクトの取り組みを通じて、多くの子どもたちの笑顔が生まれ、それを見た大人たちもうれしそうな顔になり「よし、もっとがんばろう」と言ってくれました。子どもたちが持っているパワーはすごいな、と思います。

このプロジェクトをご支援くださったみなさんに、心よりお礼申し上げます。

 

(認定NPO法人 AMDA社会開発機構 小林さまより)

 

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